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AI学習のきっかけ、76.9%が「個人的な興味」
自発的学習の一方、具体的な業務成果をあげられる人は18.7%にとどまる
〜 業務成果をあげるための学習時間は「31時間以上」が最多 〜
誰もが活躍できる社会を目指し、あらゆる人のスキルをアップデートするリスキリング※1に取り組むため、国や地方自治体、企業など250以上の参画団体から構成する「日本リスキリングコンソーシアム」(主幹事:グーグル合同会社)は、日本リスキリングコンソーシアム会員登録者のうちエンジニア職を除く5,694名を対象に、AI学習に関する調査を実施しました。
※1 リスキリング:新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する / させること。(出典: 経産省/リクルートワークス研究所)
■調査背景
日本リスキリングコンソーシアムは2022年6月に発足し、様々な企業によるトレーニングプログラムの提供や、就職支援、副業・フリーランス・アルバイトなどの幅広い就業機会の提供、スタートアップ企業による就職希望者への採用機会の提供など、パートナーシップの輪を広げることで、全国の人々が学び続ける機会を創り出しています。2024年12月時点で、参画団体数は250以上、参画団体による提供プログラム数1,500以上、会員数は16万人以上にのぼります。
この度、AI人材育成を加速させるための提言をまとめた「AI人材白書」※2の発行にあたり、日本リスキリングコンソーシアム会員登録者を対象とするアンケート調査を実施しました。本調査では、AI人材を「技術者や開発スキルを有するスペシャリストではなく、AI(生成AIを含む)を活用し業務において具体的な成果を上げることができる人材」と定義しています。AI人材育成を取り巻く状況・課題や提言などの詳細は「AI人材白書」をご覧ください。
※2 「AI人材白書」URL:https://bit.ly/AIRWP
【調査結果サマリー】
- AI学習のきっかけは「AI技術に興味があったから」が最多76.9%で、2位「業務の効率化が必要だと感じたから」67.7%と9.2pt差
- 「具体的な業務成果をあげられる」(=AI人材)は18.7%にとどまり、「成果はあがるが改善の余地」と「学習サポートが必要」で70%超を占める
- “AI人材”のAI利用状況は「所属企業・組織による導入で業務に利用」63.4%、「個人的に利用」36.6%
- “AI人材”の学習時間は「31時間以上」が最多。一方、“成果はあがるが改善の余地”の61.7%、“学習やサポートが必要”の71.1%が「20時間未満」にとどまる
- AIスキル習得の継続ハードル、1位「時間の確保」2位「モチベーション」
- 所属企業・組織に求める支援、3位に「実務でAIスキルを活用する機会を提供」
【調査結果詳細】
1. AI学習のきっかけは「AI技術に興味があったから」が最多76.9%で、2位「業務の効率化が必要だと感じたから」67.7%と9.2pt差
AIスキル習得者2,731名に、AIスキルを習得しようと思ったきっかけを聞いたところ、「AI技術に興味があったから」が76.9%で最も多く、次いで「業務の効率化が必要だと感じたから」67.7%、「学習や自己成長の一環として取り組んだ」45.4%となりました。
2.「具体的な業務成果をあげられる」(=AI人材)は18.7%にとどまり、「成果はあがるが改善の余地」と「学習サポートが必要」で70%超を占める
AIスキル習得者3,686名に、AIスキルによって得られる成果について聞いたところ、「ある程度の成果を上げることができるが、改善の余地がある」39.3%、「成果を上げるためには、さらなる学習やサポートが必要」34.5%となり、「具体的な業務成果を上げることができる」と回答した人は18.7%にとどまる結果となりました。
3. “AI人材”のAI利用状況は「所属企業・組織による導入で業務に利用」63.4%、「個人的に利用」36.6%
AIスキル習得者3,686名に、所属する企業・組織でのAI利用状況と習得したAIスキルによって得られる成果について聞いたところ、「業務において具体的な成果を上げることができる」と回答したのは、“AIをオフィシャルに利用できる環境があり、業務に利用している人”は63.4%、“オフィシャルではないが、個人的にAIを利用している人”は36.6%となりました。
また、「ある程度の成果を上げることができるが、改善の余地がある」への回答割合は両者でほぼ差はないものの、「成果を上げるためには、さらなる学習やサポートが必要」や「具体的な成果を上げることは難しい」では、“AIをオフィシャルに利用できる環境があり、業務に利用している人”に比べて、“オフィシャルではないが、個人的にAIを利用している人”の回答割合が多い結果となりました。
4. “AI人材”の学習時間は「31時間以上」が最多。一方、“成果はあがるが改善の余地”の61.7%、“学習やサポートが必要”の71.1%が「20時間未満」にとどまる
AIスキル習得者2,192名に、学習に費やした累計時間と習得したAIスキルによって得られる成果について聞いたところ、「業務において具体的な成果を上げることができる」と回答した人の42.8%が「31時間以上」学習したと回答しました。一方、AI学習時間が20時間未満(「〜1時間」「2〜5時間」「6〜10時間」「11〜20時間」)の人では、「ある程度の成果を上げることができるが、改善の余地がある」が計61.7%、「成果を上げるためには、さらなる学習やサポートが必要」が計71.1%となりました。
5. AIスキル習得の継続ハードル、1位「時間の確保」2位「モチベーション」
日本リスキリングコンソーシアムでAI関連のプログラムを受講したことがある924名に、AIスキルの習得を継続する際に感じる主な課題を聞いたところ、1位「学習に必要な時間を確保することが難しい」52.1%、2位「モチベーションを維持することが難しい」38.9%、3位「実務に応用するのが難しいと感じる」32.3%となりました。
6. 所属企業・組織に求める支援、3位に「実務でAIスキルを活用する機会を提供」
日本リスキリングコンソーシアムでAI関連のプログラムを受講したことがある929名に、AIスキルの習得を継続するために所属企業・組織からどのような支援があったらよいかを聞いたところ、1位「学習費用の負担」59.8%、2位「学習時間の確保」53.6%、3位「実務でAIスキルを活用する機会を提供」40.7%となりました。
■調査結果へのコメント
日本リスキリングコンソーシアム
主幹事 グーグル合同会社 シニアマーケティングマネジャー 岡村有人
日本リスキリングコンソーシアムは、官民が一体となり、日本全国のあらゆる人のデジタルスキルを向上させ、より高度なデジタル人材を育成することを目的として、2022年6月に始動した取り組みです。
近年、AI技術は飛躍的な進歩を遂げており、デジタルスキルの中でもAI活用・推進スキルを持つAI人材は急激にニーズが高まっています。今後ますます重要となるAI人材の育成を実現するため、リスキリングに取り組む会員にアンケート調査を実施し、特にAIスキルの習得や、AI人材として成果を発揮するために企業・組織に求めることなどを可視化して、AI人材育成のために企業・組織が取り組むべきことを把握することを目的に「AI人材育成白書」を発行しました。
本書では、『個人の意欲』『企業・組織の環境整備(ハード面)』『成果につなげる仕組み(ソフト面)』の3要素が一体となって機能することでAI人材育成が加速する「AI人材育成サイクル」を提言しています。この提言の根拠となるデータは白書内で詳しく紹介していますが、本プレスリリースで取り上げた調査結果からも、個人のAI学習意欲とともに企業・組織の役割として「ハード面」と「ソフト面」の両方を整備する必要性が明らかになっています。
本プレスリリースで取り上げた調査結果では、AI学習のきっかけのひとつに「AIへの興味」を挙げている人が学習者の76.9%にのぼることが明らかになりました。また、業務へのAI利用状況として「所属の企業・組織からAIを利用できる環境は提供されていないが、個人的にAIを利用している」との回答が全体で最も多く、個人の興味関心がAI活用を促進し、AI学習の意欲の源になっていると考えられます。
その一方、習得したスキルで具体的な業務成果をあげられる「AI人材」は18.7%にとどまり、その要因のひとつとして、所属企業・組織におけるAI導入を含めた環境整備の状況が関係していることが見て取れます。AIを実際に活用できるシステムの導入や、実務で活用できる制度づくりなど、企業からの多面的なサポートが不可欠です。
また、AI人材と非AI人材の学習時間に明確な差が生まれていることからも、企業・組織による継続的な学習支援が必要です。必要な時間やリソース、適切な教材の提供など、座学だけではなく、実務経験を通じた学びの場に加えて、従業員が新しいキャリアの機会を得られる環境づくりが挙げられます。AIスキルを習得した人材がそのスキルを活かせる環境を整えることで、従業員の学習意欲は高まり、企業全体におけるAI活用の促進へと繋がります。
こうした取り組みを推進する際には、経営層がAIを導入する目的や意義といったビジョンを明確にすることも必要です。経営層のコミットメントが、組織全体におけるAI活用の目的や期待する成果への理解を促進します。それに伴い、AIスキルの習得や活用による評価やキャリアアップの仕組みが整備されることで、AIの利活用、学習のモチベーションが向上し、人材育成の促進が可能になるのです。「キャリアアップにつながる明確なパスの提示」は、学習者が支援を期待する項目のひとつであることも明らかになっています。また、経営層のコミットメントが、さらに新しいテクノロジーを積極的に受け入れ、活かす企業文化を育むことにもつながります。
このように、AI人材育成を加速させるためには、個人の意欲とともに、企業側の役割として「ハード面」と「ソフト面」の両方の整備が必要です。「AI人材育成サイクル」において、この3つの要素が一体となって機能することで、企業はAI人材の育成と共にAI活用を促進し、継続的なビジネス成長が実現できると言えるでしょう。
■「AI人材育成白書」について
「AI人材育成と人材の流動化の加速」を目的として、AI人材育成の現状と企業・組織への提言をまとめた白書です。技術者や開発スキルを有するスペシャリストではなく、生成AIを活用し業務において具体的な成果を上げることができる人材を「AI人材」と定義し、リスキリングに関心が高い、全国のコンソーシアム会員 約6,000名を対象にAI学習に関する調査を実施しました。本書では、実際にAI学習に取り組む会員が企業・組織に求めることなどを明らかにするとともに、AI人材育成に不可欠な3要素を基に構成される「AI人材育成サイクル」など、企業・組織がAI人材育成を実現するために必要な取り組みについて具体的にご紹介しています。
■生成AI講座「AI Essentials」無料提供について
生成AIなどのスキルを習得できる認定証講座「AI Essentials」を無料受講できるアカウントを、日本リスキリングコンソーシアム新規会員・先着4,000人に配布します。
「AI Essentials」は、生成AI初心者の方でも10時間以内でAIの基礎と具体的な活用方法を学べる、日本語のオンライン講座です。実際の仕事の場面を想定した多数の実践型アクティビティが用意されており、様々なツールの中から必要なものを選んで練習できます。GoogleのAIのエキスパートが講師を務め、修了時にはGoogleからの認定証が発行されます。
下記URLより「新規会員」登録後、マイページ「トレーニングプログラム一覧」より、会社別「グーグル合同会社」・目的別「認定書」・無料/有料「無料」を選択し、受講をお申し込みください。(先着順となります点、ご理解ご了承ください。)
*新規会員登録ページ【無料】
https://japan-reskilling-consortium.jp/register/request
■調査概要
調査時期:2024年9月10日〜2024年10月2日
調査方法:インターネット調査
調査対象:日本リスキリングコンソーシアム会員登録者(非エンジニア職)5,694名
※調査結果の数値は小数点第二位以下四捨五入
■日本リスキリングコンソーシアムについて
「日本リスキリングコンソーシアム」は、国や地方自治体、民間企業などが一体となって、地域や性別、年齢を問わず日本全国のあらゆる人のスキルをアップデートする「リスキリング」に取り組む新たな試みです。様々な企業によるトレーニングプログラムの提供や、就職支援、副業・フリーランス・アルバイトなどの幅広い就業機会の提供、スタートアップ企業による就職希望者への採用機会の提供など、パートナーシップの輪を広げることで、全国の人々が学び続ける機会を創り出しています。
2024年12月時点で、参画団体数は250以上、参画団体による提供プログラム数1,500以上、会員数は16万人以上にのぼり、個人会員への支援のみならず、企業や自治体などの団体代表者が、対象の社員・職員を「団体会員」として登録し、指定プログラムの受講状況を一括管理できる「団体会員・団体受講機能」※も提供しています。
経済同友会との戦略的パートナーシップも締結しており、日本を代表する企業・団体が社内向けに活用している実践的トレーニングの一般公開や、政府の動きと連動した女性・地方のデジタルリスキリング支援を推進しています。
※「団体会員・団体受講機能」の詳細:https://japan-reskilling-consortium.jp/group
主幹事:グーグル合同会社
協力・後援:総務省、経済産業省、厚生労働省、文部科学省、デジタル庁 他
公式サイト:https://japan-reskilling-consortium.jp/
公式X(旧Twitter):https://x.com/jp_reskilling
【本件に関するお問い合わせ先】
日本リスキリングコンソーシアムPR事務局(株式会社カケル内)
担当:井指・岡根
Email:jrc@kakelu.com